加羅国、三韓の種族である。建元の元年、国王の荷知が使者に献上させに来させたので、「遥か茫漠たる広大な地からもお越しになられ始めるとは、遠方の夷 ( えびす ) もあまねく王化したのだな。加羅王の荷知は海の外から関所を通りたいと希望され、贄をはるか東方から奉られたのだ。輔国将軍、本国王を授けねばなるまい。」と詔 ( みことのり ) した。 (※1)三韓 朝鮮半島南部に存在した馬韓、辰韓、弁韓(弁辰)の三国を指す。
(※2)国王の荷知 大加耶の第8代王。
(※3)輔国将軍 後漢最後の皇帝である献帝によって初めて制定された。品秩は三品。
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≪白文≫ 加羅國、三韓種也。建元元年、國王荷知使來獻。詔曰、量廣始登、〈量廣始登〈疑〉〉遠夷洽化。加羅王荷知款關海外、奉贄東遐。可授輔國將軍、本國王。
≪書き下し文≫ 加羅國、三韓の種 ( ちすぢ ) なり。建元元年、國王 ( くにきみ ) の荷知、使 ( つかひ ) して獻 ( ささ ) げに來たらしむ。詔 ( みことのり ) して曰く、量廣 ( はるかひろき ) は始めて登 ( いた ) り、〈量廣始登〈疑〉〉遠き夷 ( ゑびす ) も洽 ( あまね ) く化したり。加羅王 ( からのきみ ) の荷知は關 ( せき ) を海の外に款 ( たた ) き、贄を東の遐かに奉りたり。輔國將軍、本國王を授くる可し、と。