汾西王

 汾西王は責稽王の長子である。
 幼くして才知に優れ、忠厚かつ英俊挺抜であった。
 王は寵愛して左右から離さなかった。
 王が死去するにあたって、後を継いで即位した。

[冬十月]
 大赦を出した。

【二年】
[春正月]
 東明廟に謁見した。

【五年】
[夏四月]
 彗星が昼間に現れた。

【七年】
[春二月]
 軍隊を潜伏させ、樂浪の西県を襲撃して略奪した。
[冬十月]
 王は樂浪太守の派遣した刺客に殺害されて死去した。
 

 

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 汾西王、責稽王長子。  幼而聰惠、儀表英挺。  王愛之不離左右。  及王薨、繼而卽位。  冬十月。  大赦   二年、春正月。  謁東明廟  五年、夏四月。  彗星晝見。  七年、春二月。  潛師襲取樂浪西縣。  冬十月。  王爲樂浪太守所遣刺客賊害薨。

 汾西王、責稽王の長子なり。  幼くして聰惠、儀表にして英挺なり。  王は之れを愛して左右を離れず。  王の薨ずるに及び、繼ぎて卽位す。  冬十月。  大赦す。  二年、春正月。  東明廟に謁す。  五年、夏四月。  彗星晝に見(あらわ)る。  七年、春二月。  師を潛り樂浪の西縣を襲取す。  冬十月。  王は樂浪太守の遣る刺客の賊害せしむる所と爲りて薨ず。