法王

法王

 法王の諱は宣(あるいは孝順とも)、惠王の長子である。
 惠王が死去したので子の宣が王位を継いだ。
 隋書には宣を昌王の子としている。

 冬十二月。
 次のように下令した。
「殺生を禁じ、民家で養われている鷹鷂はすべて集めて解放する。
 漁獲の道具はすべて燃やせ。

 二年、春正月。
 王興寺を創設し、僧三十人を渡した。
 大旱魃が起こり、王は漆岳寺に行幸して、雨を祈った。

 夏五月。
 死去した。
 諡(おくりな)を法と上(のぼ)した。

 

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≪白文≫
 法王、諱宣、或云孝順、惠王之長子。
 惠王薨、子宣、繼位。
 隋書以宣為昌王之子。

 冬十二月。
 下令、
 禁殺生、收民家所養鷹鷂、放之、漁獵之具焚之。

 二年、春正月。
 創王興寺、度僧三十人。
 大旱、王幸漆岳寺、祈雨。

 夏五月。
 薨。
 上諡曰法。


≪書き下し文≫
 法王、諱は宣、或(あるいは)云く孝順、惠王の長子なり。
 惠王薨じ、子の宣、位を繼ぐ。
 隋書は宣を以て昌王の子と為す。

 冬十二月。
 下令、
 殺生を禁じ、民家の鷹鷂を養ふ所を收め、之れを放ち、漁獵の具之れを焚く。

 二年、春正月。
 王興寺を創り、僧三十人を度(わた)す。
 大旱、王漆岳寺に幸(ゆ)き、雨を祈る。

 夏五月。
 薨ず。
 諡(おくりな)を上(ささ)げて法と曰ふ。