樂(百済)

樂(百済)

 百濟の樂。通典には、「百濟の楽は、中宗の代の工人は死亡あるいは散り散りになった。開元中に太常卿となった岐王範が、奏を復元して保存しようとしたが、それが理由で音伎は多くが欠けている。舞者は二人、紫の大袖と裙襦、章甫冠、皮履を着用する。楽のうち保存されたものは、箏、笛、桃皮篳篥、箜、篌があり、楽器に属するものは、多くが内地と同じである。北史には、「鼓、角、箜篌、箏、竽、箎、笛の楽がある」と伝わる。

 

 戻る








≪白文≫
 百濟樂通典云、百濟樂、中宗之代工人死散、開元中岐王範爲太常卿、復奏置之、是以音伎多闕、舞者二人、紫大袖裙襦、章甫冠、皮履、樂之存者、箏笛桃皮篳篥箜篌、樂器之屬、多同於內地北史云、有鼓角箜篌箏竽箎笛之樂。


≪書き下し文≫
 百濟の樂、通典に云く、百濟樂、中宗の代の工人は死散し、開元中に岐王範は太常卿と爲り、奏を復して之れを置くも、是れ以て音伎は多く闕く。舞者は二人、紫の大袖と裙襦、章甫冠、皮履、樂の存する者、箏笛桃皮篳篥箜篌、樂器の屬、多く內地に同じくす。北史に云く、鼓角箜篌箏竽箎笛の樂有り、と。