憲法
現代語訳
憲法とは何物であろうか。万世不易の憲典を立て、一国の人は、君主であろうと、官吏であろうと、人民であろうと論ずることなく、皆が共にこれを守るものである。国家一切の法律や規則の根拠として、これ以後にどんな命令を下すか、どの法律を変更するかに関わらず、百変しようともその主旨から離れることは許されない。
西洋語での原字は”The constitution”である。語意を訳せば、いわば元気(森羅万象の根元となる原初にして唯一の存在)といったところであろう。思うに憲法というものは、一国における元気である。
漢文
憲法者何物也。立萬世不易之憲典、而一國之人、無論為君主、為官吏、為人民、皆共守之者也、為國家一切法度之根源。此後無論出何令、更何法、百變而不許離其宗者也。
西語原字為The constitution、譯意猶言元氣也。蓋謂憲法者、一國之元氣也。
書き下し文
憲法なる者は何物ぞや。萬世の不易なる憲典を立て、而りて一國の人は、君主為るも、官吏為るも、人民為るも論ふ無し、皆が共に之れを守る者なり。國家一切の法度の根源と為る。此の後に何の令を出づるも、何の法を更たむも論ふ無く、百の變にしても其の宗より離るるを許さざる者なり。
西語の原字はThe constitution為り、意を譯かば猶ほ言ひて元の氣のごときなり。蓋し憲法と謂ふ者、一國の元の氣なり。