史記 孔子世家 彼婦

 

本文

漢文

彼婦之口 可以出走
彼婦之謁 可以死敗
蓋優哉 游哉 維以卒歲

書き下し文

彼の をみなの口あらば、
以ちて出でて のがる可し。
彼の をみな まみゆあり、
以ちて死にて くる可し。
蓋ぞ優なる哉、游なる哉、
れ以ちて ことし えん。

現代語訳

婦人の口だ、急いで出よう。
婦人と会うなら、負けて死ぬ。
優雅なもんだ、自由なもんだ。
これで今年もおしまいだ。

付記

 史記孔子世家から。孔子が亡命の際に歌ったもの。女性の扱いに詩経大雅のこのあたりに通じるものを感じる。本文だと、これを聞いた季桓子は、「孔子は私への断罪を婦人に仮託したのだ。」と嘆くのだけど、批判相手を直接批判すればいいのにネ。

 

底本

論語注疏- 中國哲學書電子化計劃